新型コロナと闘う 医療現場③ PCR検査と医療体制

新型コロナと闘う 医療現場③ PCR検査と医療体制

新型コロナウイルスと戦う、県内の医療現場を取材したシリーズ3回目は、「PCR検査と医療体制」です。PCR検査は、検査場所を増やす方向で話が進んでいます。しかし、医療現場からは、単純な検査数の増加には慎重な声もあがっています。

 県内では今、保健所に、毎日数百件の新型コロナウイルスに関する問い合わせがあり、職員が対応に追われています。相談の中で多いものの一つが、PCR検査に関するものです。
<芝田信晃記者>「PCR検査がどういったものなのか、実際に受けてみたいと思います」
<中東遠総合医療センター・伊藤裕司医師>「鼻から検査をするんですけど、鼻だけ出してもらいます。口はふさいだままにして、正面に立っちゃうと、(ウイルスの飛散を)受ける可能性があるので、後ろからでもいいんですが、横からやります」
 採取した検体は、溶液が入った容器に入れ、専門の検査機関に送られます。結果は、早ければ当日から翌日にかけて出るということです。
<芝田記者>「インフルエンザの検査を受けるような感覚で、すぐに受けられてしまいますね」
<伊藤医師>「鼻の奥の鼻腔と、喉の奥と検査ができるが、報告上は、鼻の方がウイルス量が多いだろうといわれているので」
 こうしたPCR検査は、希望するすべての患者が受けられるわけではありません。実は、PCR検査の精度は、高くても70%と言われています。逆に、少なくとも30%の人は、感染していても陰性と診断される可能性があるのです。病院は、検査だけを急ぐことで、本当は感染しているのに、「陰性」というお墨付きを得たと勘違いする、「偽陰性」の人が増えることを心配しています。

(救急救命センター外来)「ファイルに患者さんのお名前とトリアージの問診票の紙が入ってくるので」
 救急の外来です。発熱の患者が来た場合の対応について、実演してもらいました。
<看護師>「こんにちは。看護師の青木です。きょうは、受診のことをいろいろ聞かせてください。いつぐらいから、どういう状況だったか教えてください」
<患者役の看護師>「3日くらい前から発熱があります」
<看護師>「ご家族とかで調子の悪い方や、出張した方や近くからきた方はいらっしゃいますか?」「ちょっとお部屋を、お熱ある方なので、移動させていただきますね」
 発熱や咳などに加え、感染者との接触があったかも聞きます。PCR検査をするかどうかは、患者の症状が重い、もしくはその可能性があるかが重要だといいます。無症状や軽症の場合は、自宅待機を勧めることもあります。
<中東遠総合医療センター・宮地正彦院長>「コロナの場合は、軽症者まで入院させる、管理するというところに、非常に病院が難しくなる、(医療)崩壊を早めてしまう状況があります」
 県内の感染症指定医療機関は10しかなく、対応したベッドの数も限られています。軽症の患者でベッドが埋まり、本当に治療が必要な重症患者が、入院できなくなる事態を避けなければなりません。

<松島暁医師>「新型コロナウイルスの肺炎の方、重症の方を見るのは当たり前の話です。ですけれども、例えば、心筋梗塞であるとか、脳卒中であるとか、大けがであるとか、そういった方々も一緒に診る。普通に救命が必要な患者さんを診られないというのは、これはまさに医療崩壊。この時期だから仕方がない、というのは、やはり許されるものではない」

<宮地院長>「私たちは、最後はみなさんを絶対に助けます。心配しないでいただきたい。悪くなった時に受診していただければ、ちゃんとそこで検査して、コロナであれば適切な治療をしていきます。ですので、不安にならないで、自分のすべきことをきっちりやっていきましょう。私たちは、私たちのすべきことをきっちりします」
 新型コロナウイルスと戦うための病院の資源には限りがあります。今のところ治療薬がない、この難敵に打ち勝つためには、私たちの行動も試されることになります。

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