【防災最前線】「高潮ハザードマップ」整備へ 台風19号から1年

【防災最前線】「高潮ハザードマップ」整備へ 台風19号から1年

防災最前線です。2019年、県内に上陸し浸水被害が相次いだ台風19号から10月12日で1年が経ちました。静岡市や焼津市の住宅街が水につかった理由の一つ、「高潮」に備えようと県がハザードマップ作りに動き出しました。

 2019年10月12日、伊豆半島に上陸した台風19号では大雨に加えて海の水が陸地にあふれ出る「高潮」の被害が各地で発生しました。特に被害が大きかったのが静岡市駿河区の海沿い、西島地区です。
 <中島学区自治会連合会 石上義之会長>「この辺りが一番ひどく西島地区で床上浸水が8棟出た。腰のあたりまで水に浸った。隣の地区の境まで約40ヘクタール。2年前にも同じような範囲が浸水した」
 床上・床下浸水はこの地区だけで80棟近くに及びました。土地が低く水がたまりやすい場所で大雨が降るとポンプで吸い上げ川に排出します。しかし、2019年の台風ではその川に異変がありました。
 <静岡市西島町内会 亀山茂会長>「本来なら川の水は海に流れるが高潮で海面が上がって川より海面の水位が高くなり川の水が流れない。さらに上がってくると川が流れず低いところに水がたまる」
 この地区では川に注ぐ水路の堤防をかさ上げするなどして備えていました。しかし、高潮で水の流れが悪くなり堤防が水圧に耐えられず壊れてしまいました。結果として大量に水があふれて被害が広がりました。
 <自主防災会長 矢部真一さん>「この10年で3回浸水した。2回は駐車場の車が浮いてしまった。大きな災害であると同時に頻度も増えている」
 近年、台風による高潮の被害が目立っています。3年前には静岡市清水区の由比漁港にまるで津波のような巨大な波が押し寄せました。繰り返す高潮被害への対策を強化するため、国は全国の自治体にハザードマップ作りを要請しました。
 <岩崎大輔記者>「県はすでにおととしから高潮のハザードマップ作りを進めていました。国の手引きの改訂に合わせ見直し作業を進めています」
 史上最悪といわれる1959年の「伊勢湾台風」を想定し、海岸や河川の堤防が壊れたらどの位の高さまで水に浸かるのか明らかにします。これまでの計算では静岡市の用宗漁港付近で最大5.37m、沼津港付近で4.91m、焼津駅東側付近で4.33m水に浸るという結果が出ています。県は9月、専門家による検討委員会を立ち上げ、最悪の事態を想定し計算の精度を高めています。県の検討委員会で座長を務める専門家は気候変動も想定しなければいけない時代になっていると指摘します。
 <高知工科大学 佐藤愼司教授>「各地域で最悪の条件を想定し、堤防などがあると過信しないでそれを上回る高潮高波も頭の隅に置いて準備してほしい」
 県のハザードマップはまだ完成していません。今後、2年半かけて県内すべての地域の浸水想定区域を公表し住民の避難に役立てる方針です。

(#オレンジ6 10月13日放送)

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